弟の夫
- charlottegoff
- Jun 22, 2021
- 2 min read
Updated: Jun 24, 2021

プライド月間に合わせて、田亀源五郎の「弟の夫」という、好きな漫画を紹介します。
双子の弟がなくなり、夫であった「マイク・フラナガン」は双子の兄に会いに、日本にやって来ます。

兄の弥一は最初のころ、マイクをどう接していいかが分かりませんし、色々な偏見を抱いています。男同士で結婚することは変だと思ったり、マイクのことを他人に話すと「弟の夫」と言うのを危ぶみ、「弟の友人」と言ったりします。
弥一はきっと自分のことを「ホモフォビック」(同性愛者に対して拒絶や恐怖感あり)だと思っていません。しかし、マイクと一緒に過ごせば過ごすほど、自分の持っている見えにくい形の偏見に気付いていきます。
一方で、娘の夏菜ちゃんはすぐにマイクになつきます。そして偏見が生まれつきのものではなく、周りから収入するものだということを、田亀源五郎は夏菜ちゃんによって描きます。若い夏菜ちゃんが「変」だと思うことは同性婚ではなく、ある国でできる結婚は他の国でできないということです。
日本であまり「ホモフォビア」がないと最初に思った弥一は、そのホモフォビアがただ見えにくいことに少しずつ気づきます。夏菜ちゃんの友達のお母さんはマイクが子供に「悪影響」を与えるかもしれないと心配します。担任の先生も、同じような心配を抱えています。二人とも偏見を「心配」で隠します。
読んでいる間、私は日本に住んでいた時のLGBTについての会話を色々と思い出しました。
「日本より、外国の方ではゲイの人が多い」
「私、ゲイの人に会ったことがない」
「友達の中でゲイの人はいない」
みたいなことを何回も聞きました。そのようなことを聞く度に思ったのは、それはゲイの人が海外より少ないからではなく、きっとカミングアウトをしにくい環境でいるからです。もちろん、これは日本に限りません。
弟の夫では、周りにゲイの人がいないという思い込みが、LGBT人たちに孤独感を与えるという結果が見えます。
深刻なテーマでありながら、とても読みやすく、あたたかい話です。家族の形についても、離婚についても、色々なことを考えさせるシリーズです。とにかく、素敵なシリーズだと思います。田亀源五郎の「僕らの色彩」も、おすすめです。

もしよかったら、読んでみてください。そしてエジンバラにいる人で読みたい人がいれば、遠慮なく言ってくださいね:)
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ちなみにこの間、家に帰ったら、このイアリングが届いていました。友達からの、「プライド月間お祝い」のサプライズでした。ピンク、むらさき、青の色合わせは「バイセクシャル」のプライドの色です。

なるべく早く、みんなが自由に生活できる世界になりますように~
あ~これずっと前から読むつもりだったんけどまだまだ読んでなーい ( ・ั﹏・ั)